合同会社ひろさきマーケットは、平成26年に開業しました。現在、青森県弘前市で青森県の食品を軸とした事業を展開している会社です。主に、青果・惣菜の小売、飲食店の経営を行なっています。平成30年度時点で、20名の社員が働いています。
〈農家の「販売代理店」〉
「想いと一緒にお届けします。」
ひろさきマーケットのホームページを開くと、こんな言葉が迎えてくれます。
代表社員の高橋さんは、ひろさきマーケットはただの八百屋ではなく、農家にとっての販売代理店でありたいという想いをもっています。
ひろさきマーケットで販売している野菜は、青森県産の旬の野菜が多いです。これらの野菜は、農家さんのところへ直接足を運んで仕入れています。そうすることで、いま美味しい青果は何なのか、同じ野菜のなかでもなぜこの品種を選んだのかなど、農家さんのこだわりまで知ることができるのです。野菜は手書きのポップとともに、店舗に並べられます。ポップには野菜の品種、特徴、調理法などが書かれており、農家さんとお客さんを繋げる役割のひとつを果たしています。
また、お客さんの声を農家さんに直接届けるということも、ひろさきマーケットならではの取組みです。「お客さんがこの野菜美味しいと言っていたよ」と農家さんに伝えると、とても喜んでくれるそうです。農家さんとお客さんが、直接コミュニケーションをとることによって、双方の繋がりを深めます。農家さんが直接お客さんに販売できない分、ひろさきマーケットは、生産した野菜や青果を農家の想いとともに届けているのです。
ひろさきマーケットは、農家にとって頼もしい販売代理店です。
〈代表社員高橋信勝さんの魅力・考え方〉
ひろさきマーケットに多くの魅力があるのは、代表社員である高橋さんに魅力がたくさん詰まっているからではないでしょうか。
高橋さんは、高校卒業後、いまのひろさきマーケットにたどり着くまでに、サラリーマン生活や自身の起業など様々な経験を積まれてきました。
そこで、高橋さんから学生へ向けて、メッセージを二つ頂きました。一つ目は、社会勉強をするということ。これは、社会人になる上で重要なことであり、できるだけ早くから身につけておくと良いと、高橋さんはお話ししています。技術や知識よりも、人としての意欲や考え方に目を向けているようです。数多くのことにトライしている高橋さんが仰る、経験が生きてくるというお言葉には、とても説得力があります。そして二つ目は、夢と目標を決めるということです。いつまでに達成するかという具体的なところまで内容を決めておくことが大切だそうです。ただし、その目標は変わってもいい、守れなくてもいいと高橋さんはお話ししました。ずっと同じである必要はないが、目標や夢を持つということは、自分の目指す場所がわかります。常に変化できる柔軟性をもちながら、前に進むためのゴールを決める。高橋さんの経験がそれを物語っています。
また、高橋さんは経営に関して、「三方よし」を理念として掲げています。三方よしとは、近江商人の心得で「売り手良し」「買い手良し」「世間良し」の三つの「良し」を唱えたものです。「人がどのように喜ぶか、それが対価」と仰っていました。三方よしの考えを常にもっている高橋さんだからこそ、温かみのある会社の取組みが継続されているのだと感じます。
高橋さんは、終始柔らかい表情で、学生の私たちにも対等な目線でお話ししてくださりました。熱く、トライを続ける高橋さんは、これからもさらに魅力のあるひろさきマーケットをつくっていくのだと感じます。
〈ひろさきマーケットのこれから〉
高橋さんは、これからもやりたいことがたくさんあるとお話していました。その中の一つをご紹介します。それは、独立店舗をつくるということです。
現在ひろさきマーケットは、スーパーの中に店舗を構えており、独立したお店はもっていません。高橋さんはいずれ独立した店舗を持ちたいと言います。そして、その店舗について具体的な夢を持っています。高橋さんは、お店のコンセプトを「洋」にし、ヨーロッパのマルシェのような雰囲気にしたいそうです。「洋」を取りいれることで若者からの注目が集まることを期待しています。そういった外観や好奇心からお店に訪れたお客さんに野菜や惣菜などの美味しさを伝えられたらという考えがあります。また、そこでもお客さんとのコミュニケーションを大切にしたいと語っています。
和食を洋風にしてみたらどうか、洋の盛り付けにしてみたらどうか、という発想の転換から、この新しいビジネスを計画しています。コミュニケーションを大切にしている今のひろさきマーケットの良さは変わらずに、よりよく新しいひろさきマーケットがつくられていきそうです。
みなさん、今食べている野菜は旬ですか?
どこで作られましたか?
作り手の方を想像しながら買い物をすると、食材の選び方も変わってきそうですね♪
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