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八木橋廣広告写真スタジオ

 先日お世話になったデザイン工房エスパスさんの取材の際、撮影現場も見学させていただきました。その時カメラマンを担当されていたのが八木橋廣広告写真スタジオさんです。その場にいらした代表の八木橋さんは、急な取材にもかかわらず快く受け入れ、「面白い活動してるね~」と言ってくださいました。そんな素敵なご縁で、スタジオにお邪魔させていただくことになったのです!



<概要>

 八木橋廣広告写真スタジオは、業者向けに写真素材を提供する企業です。個人写真を撮る写真館とは違って、広告のためのパンフレットやポスター、出版物などに載せる写真を撮るお仕事です。私たちは写真館のような外観をイメージしていたので、実際訪問してみると、住宅街に馴染んだ非常にシンプルな佇まいで、「え、ここ?!」という感じでした。入ってみると、ポスターや、本・雑誌がずらり。それらは街でよく見かけるものや、手に取ったことのあるものばかりでした。それらは、すべてこちらスタジオが作成に携わったものだそうです。弘前の業者さんたちに本当に信頼されているのだなと感じました。






<弘前の裏方>

 しかし、そんな風にたくさんの仕事を任されるようになるまでには、かなり長い時間がかかったそうです。

今回お話を伺った代表の八木橋さんは、高校卒業後上京して写真の専門学校に入りましたが、現場への思いが募り、東京の写真スタジオで働き始めました。その後両親と一緒に暮らすため、30歳の時地元である弘前に戻ってきました。ですが当時弘前には写真スタジオなどなかったので、自ら立ち上げることを決意したのです。「でもお金なんてないから、最初は裸電球ひとつではじまった。工夫次第でね、光さえあれば撮れるのよ。」

さらにスタジオをはじめても、存在に気づいてもらうまでがまた大変だったそうです。営業は行わず、広告用のポスターやパンフレットなどに撮影者の名前が入ることもないので、仕事の依頼が来るかどうかはすべて、仕事の出来栄えや業者間の口コミにかかっています。そして、口コミで高い評価が伝わっても、その業者が新たな撮影者に依頼するかどうかはまた別問題のようです。「弘前の人は冒険しない、今まで頼んでた人を変えて、わざわざ新しい人に仕事を頼んだりはなかなかしないのよ。まあ東京と違って競争があまりないからゆるく気張らず仕事できるっていうメリットもあるんだけどね。」

弘前だけでなく、地方の多くでは人と人とのつながりがしっかりと築かれているため、安定した居場所があるという反面、新しく入ってきた人が定着するまでに時間がかかるのでしょう。地方で働くうえで、素敵な点とネックとなる点の両方を教えていただいた気がします。


<社会の縮図を見た>

 今回も、あるパンフレットに載せる画像の撮影現場を見学させていただきました。市職員、デザイナー、広告代理店、料理研究家、アイドル、マネージャー、ヘアメイク、メディア、そしてカメラマン。撮影現場には、これら様々な職種の方々が一堂に会ました。それぞれが1つの企画のために仕事に取組み、その成果を持ち寄ります。依頼者と広告代理店、デザイナーは企画の内容を練り、料理研究家は試作を繰り返し、カメラマンは背景を作り…といった具合です。そしてこの現場は、皆の仕事をまとめ、形にする最終段階なのだそうです。





カメラマンの八木橋さんは、デザイナーの指示を受けつつ料理研究家やアイドルの要望も取り入れながら撮影していました。背景の色や光の強さ、被写体の角度など調節し、試行錯誤しながら何パターンも写真を撮ります。できあがった画像が映った画面を皆さんで覗き込み、「お~!いいね」、「なんかここが気になる」と口々にコメントします。その意見を取りまとめたカメラマン・八木橋さんがまたパシャリ。といった具合です。

パンフレットづくりの「最終段階」であるこのスタジオで、色々な人たちがそれぞれのアイディアを持ち寄り、一つのものをつくり上げていく様子を目の当たりにすることができました。ああ社会ってこんな風にまわっているんだなとつくづく実感しました。

 世の中は本当にいろんな人たちの力で動いているんですね。私たちの知らない仕事はまだまだありそうです! To be continued…

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