JAアオレンの正式名称は青森県農村工業農業協同組合連合会といい、青森県内のリンゴや野菜を使用したジュースの加工・販売を行う企業です。現在、県内でもトップのリンゴジュースのシェアを持ち、「希望の雫」「密閉搾り ねぶた」などの県民なら誰もが知る商品を作っています。今回の取材では、参事の葛西亨之さん、営業部部長の神貢さんにお話を伺いました。
<美味しさの秘密>
我々取材班は取材中にリンゴジュースの飲み比べをさせていただきました。我々は1ℓ100円程で購入できる一般的なリンゴジュースとJAアオレンの「希望の雫」、「旬の林檎」の三種類を飲み比べましたが、まず、その色の違いに驚きました。明らかに黄色が濃い~のです。飲んでみるとりんごの風味が良く、まさにりんごそのままという味わいでした。この秘密はJAアオレン独自の「密閉搾り製法」にあります。この製法では、特殊な機械装置内に窒素ガスを充満させ、無酸素状態の中でりんごの破砕・搾汁をすることで、酸化防止剤(ビタミンC)を使用しなくても酸化を防ぐことが出来ます。青森県内でもアオレンだけができる最高の製造技術だそうです。この技術により、美味しいりんごジュースが私たちの手に届いているのですね。JAアオレンでは2011年からこの製法でつくられた「希望の雫」がモンドセレクション金賞を8年連続受賞しています。
<工場見学を通して>
「県内の子供たちに青森の企業に触れてほしい。」と営業部部長の神さんは言います。 JAアオレンでは工場見学を積極的に受け入れており、県内の小中学生を始めとし1年間で約2000人に上るそうです。「幼い時から地域社会を身近に感じて、郷土への思いを持ってもらいたい。」この想いがJAアオレンの一貫した願いなのです。今回の取材では、幸運なことに我々もジュース製造工場の見学をすることができました。工場内は衛生管理を徹底しているため、外から工場内を一望できる展望テラスからの見学となりました。その作業のほとんどはロボットにより効率化され、1日になんと90トンもの密閉搾り用のリンゴ搾汁を行い、12万缶ものリンゴジュースを作れるそうです!1日では回りきれないほど広い工場に、一同目を丸くしてしまいました。
<「希望の雫」誕生秘話>
JAアオレンの主力商品である「希望の雫」には様々な誕生までのストーリーがありました。 2008年、青森県産りんごは例年では考えられないほどの霜と雹の被害を受け、県内の多くのリンゴ農家は大きな打撃を受けました。そんな時、JAアオレンでは農協から降霜・降雹被害果を全面的に受け入れることで通常の3倍もの量になりましたが、生産者の救済を図りました。そしてこの時につくられたのが「希望の雫」で、被害に見舞われた農家の方々に対し、これからも希望を持ってりんごの生産に頑張っていただきたいという思いでネーミングされました。「希望の雫」は一躍有名になりました。 参事の葛西さんは、「原料りんごの集荷にあたって、他の業者は必要な量だけの仕入れに留まりますが、我々はたとえ被害果であろうが、量が通常よりも多くなろうが、生産者の一助になれるよう受け入れます。」と熱い思いをお話し下さいました。
<取材を通して>
今回の取材を通して、JAアオレンは地域の農業を支える企業であると感じました。工場内ではリンゴジュースの他にも青森県産の野菜にこだわった野菜ジュースの製造も行っているそうです。また、JAアオレンでは現在、海外へリンゴジュースを売り込もうと、台湾などアジア各国に宣伝、広報活動を行なっているそうです。青森から世界へ美味しいリンゴジュースが輸出されていることを知り、青森県に住む一人として誇らしい気持ちになりました。お土産にいただいた「旬の林檎」、大変美味しかったです!みなさんもぜひ、JAアオレンのリンゴジュースを飲んでみてください!おそらく他のリンゴジュースでは満足できなくなるでしょう!!(^^)
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